アーティストのあり方が、SNSの発達と、音楽業界の諸事情で随分変わった。
アーティスト自身が、セルフブランディング、セルフプロモートをするのが当たり前の時代。
いいサウンドを持っていても、それをブランディング化出来なければ、そして、発信能力がなければ、拾われない。
以前と違い、アーティストにもビジネスセンスが問われる。
音楽と向き合うだけじゃなく、
溢れる情報や他のアーティスト達の合間から、
どう抜き出て、リスナーに届いていくか。。
アイデアとコネクションを先につなげていく、
ある程度のビジネスノウハウを身につける必要もある。
サウンドを追求するのは当たり前。
そこに、フライヤーやポストカード等の宣材デザイン、
写真/ビデオの制作編集や企画、
SNSの記事力。。
衣装やメイクアップ。。
そしてそこに、ブッキング等の営業的なものが含まれてくる。
(自分はそこは未開拓なので、要勉強。。)
1人のアーティストが、アーティストでありながら、
制作
企画
広報
営業
商品開発
スタイリストだったり
グラフィックデザイナー、
カメラマン、
ライター。。
そして、ビジネスマン。
従来は事務所が何人も雇い行っていた、性質の全く違う業務を、
1人で担い、
様々な役割をはたす。
そういうアーティスト達は、”DIY” (Do It Yourself) musician/artistと呼ばれ、
世界中にごろごろいる。
全くめずらしくなく、
「みんながやっていること。」
でも最近、”DIYs”のことを知れば知るほど、すごい!!
心から尊敬する。
例えば、一言に、フライヤー制作、と言っても、
制作ソフトの使い方を学ぶところから始まり、
下手すると、ソフト選びから始まり、
そして、レイアウトの仕方、フォント選び、
写真を使う場合、撮影が必要なので、カメラマンを頼む、衣装やメイクアップはどうするか、
撮った写真をどう編集するのか、
そして、それをどういう形でレイアウトし、使用するのか。。
印刷はどこに頼むのか、
印刷時の色の出具合は大丈夫なのか。。
などなど、いろいろなサブジェクトが上がってくる。
“DIY“は、カメレオンのように、業務に合わせた、
スタンスやメンタリティの合間を渡り歩き、
それぞれに必要な知識やノウハウを学ぶ。
音楽へのパッションを原動力に、
全く違う分野のことを、
1人で開拓し、形にしていく。
マルチもマルチ。
「え。。事務所に所属してないのか。。」
とびっくりする程のことを、1人で成し遂げているアーティストもたくさんいる。
並大抵では出来ない。
音楽のクオリティもしっかりしている。
アーティストイメージ(写真やビデオ等)も、ズレてない。
宣材のデザイン性やクオリティも高い。
ライブ等のブッキングもコンスタントに入ってる。
そんな、スーパーDIY アーティスト達をSNS上で見かける度に、
尊敬の気持ちがやまない。
「1人でやってるし。。」と言い訳していた背筋が伸びる。
音楽性を磨くことだけでも、かなりの心と労力、時間とお金もかかるのに、
音楽とは別の知識やノウハウ、センスが必要となる作業を、怠らずきちんと出来るのは、ホント素晴らしい。
自分は逃げてたから。。
そして、現代は、メジャーもインディも、DIYも、同じページに載る時代。
だからこその、面白さや可能性はありつつも、
発信するもののクオリティがある程度ないと、
目に止まらない。
DIYにとって、それは簡単ではない。
メジャーアーティストが、何人ものプロ達とチームを組んで、戦略を練り、多くのミーティングとプロセスを踏んで、多くのバジェットの中で発信するものを、
DIYは1人、もしくは数人で、限られたバジェットと時間でやる。
比べものにならないリソースの違い。
それなのに、サウンドもプロモーションも、メジャーアーティストと同じページに載っても、引けを取らない、
リスナーを惹きつけ、
満足させられるものを創る。
それ相応の覚悟もいるし、
かなりの能力や知恵、スキルを持ち合わせていないと、出来ない。
一般的には、メジャーアーティストの方が「優れている」イメージがありつつも、
“DIY“で、それなりの成果を出しているアーティストの方が、
自分には有能に映る。
バンドであれば、人数もいるので、不得意なところを補い合ったりして。。と思うけど、
シンガーだったり、シンガーソングライターだったり、
ピンで頑張ってるアーティストが、
“DIY“でbuild up出来ているのを見ると、
ホントに尊敬する。
膨大な量の作業をこなし、膨大な量の事柄に向き合い、解決していっている、ということだから。
それも、音楽へのパッションのゆえに。
有能、かつ、心タフ、
そして音楽への半端ない愛がないと出来ない。
相棒のゆきが、 “monolog”としてアーティスト活動し始めた頃に言っていた。
「僕たちは今まで登りやすい山にしか登ってなかったんだよ」
それは、アーティストとして世の中に売り込んでいくことが、
音楽面での葛藤よりも、大変だ、っていう意味。
音楽的にチャレンジングな山には、
言われなくても率先して登るのに、
ビジネス面の山は、周りをぐるぐる歩くだけだったfour leaf。
頑張ってる”DIY“アーティスト達に心打たれながら、
少しずつでもいいから、自分も頑張りたいと思う。
これからの FOUR LEAF SOUND を大切にしたいから、
見習おう。
by Murabayashi