久しぶりの楽曲レビュー。
今回は、楽曲ではなくアルバム “32“。
こんな感じのアルバムになってます。
まずは聞いてみてください。
ちょっと、とっつきにくいと感じる人が多いかと思います。
アルバム “27” や “29” と少し違い、寄り添う感じがあんまりない作品になっているかと思います。
実際に、このアルバムが好きというリスナーの方には、あまり出会ったことがありません。
「買う前にためらえ!」
のステッカーが貼られたこのアルバム、
“32” 以前のアルバムは、日本語と英語が織り混ざった楽曲が多かったところ、
このアルバムは、歌詞が日本語中心。
英語まじりで語られていれば、音として入ってくるものが、
日本語ということで、
日本人リスナーにとっては、歌詞の内容が、結構わかってしまう。
そういう「重さ」もあったり。
音楽的なアレンジが、結構マニアックというか、
決して聞きやすいアレンジにしていないのも大きい。
ミニマムな楽器編成に抑えて、
「むきだし」感をキープした。
リスナーの幅を狭めるinstrumentation。
あと、これは、自分でも「うっっ」ときてしまうため、
未だに自分も聞きづらさを覚える部分、
自分の歌のピッチがオフってる。
これは、ミックスの段階で、ゆきと話し合ったこと。
ピッチ修正するか、しないか。。
世に出回っている音源のほとんどが、ピッチ修正されている時代に、
この音源を修正なしでリリースするのは、どうなのか。。
当時のボイストレーナーにも、修正すべきだと、長々と説得された。
“27” も “29” もピッチ修正はしてないけど、
“32” は歌い方が重くて、フラットしちゃってるのが、すごく目立つ。
歌い方の変化については、日本帰国っていうのがすごく大きかったんだな、と今はわかるけど、
当時は、全く気づいてなかった。
レコーディングしている時に気づけば良かったけど、
1ヶ月のボストン滞在で、プリプロダクションから、レコーディング、ラフミックスまで、全てする、っていう。。
短期間のプロダクションの痛いところ。
帰国してきてから、どうしようか。。となってしまった。
プロダクションの工程を見直す必要があるな。。と振り返って思う。
日本に帰ってきて改めて聞く中で、
ピッチ修正かけるのか、かけないのか。。
どうすべきか。。
かなり悩んだ。
修正すれば、聞きやすくなって、リスナーの幅が広がる。
修正すれば、authenticな空気感がなくなる。
「僕の耳には大丈夫」
「アルバムテーマが “Be Bold” だしね。。」
ゆきの感性を信じて、修正なしでリリースすることに決めた。
言葉
音楽的アレンジメント
歌
いろんな要素の
いろんな事情が重なって、
聞きづらいアルバム “32“。
これがメジャーだったり、レーベル通しての作品であれば、
リリースはできなかっただろうけど、
そこは、自主制作。
それぞれの決断が、良かったのか、違ったのか。。は
わからないけど、
自主制作だったから、この音にたどり着くことが出来た。
完全二人三脚のこのアルバム。
ここで実験的にしたことが、
以降の音作りに大きな影響を与えてる。
新作のデモ制作の段階で、実感した。
“32” 。
自分が日本に帰国してからの初アルバムでもあった。
日本での葛藤がオブラートに包まれずに
作品になった。
3度目の正直。
12トラック収録。
気がつけば、”3″ も “12” も、聖書では特別な数字。
“32” はFOUR LEAF SOUNDにとっては、先につながる、特別な作品。
良かったら、あなたのおともに、添えてやってください。
by Murabayashi