Donna McElroy バークリー音大 ボイス学科の大御所教授

FOUR LEAF SOUND poetry soul Blog_Donna

自分は、長いこと学生をしていたので、多くの「先生」に出会ってきた。

信頼出来る先生達は、

「教える」というより、
ミュージシャンとしての生き様を見せてくれた感じで、

彼らからもらった多くの言葉たちが、
今も糧になってる。

心から尊敬する恩師達。

その中の1人、Donna McElroy

彼女に習ったシンガーは数知れない。

Berklee College of Music, Voice 学科の大御所。

私も、彼女のクラスやレッスンを、
ほぼ4年間ずっととっていた。

今も、「あぁ。。Donnaがあんなこと言ってたよな」と思い出す。

「いい先生」ぶらず、ありのままのDonnaで接してくれて、

いい加減に振る舞っていても、

コーヒーとドーナツ片手に、
鋭い的を得た言葉が飛んでくる。

生き様をもって、新しい世界を見せてくれる先生だった。

クラスでもレッスンでも、音楽的なところよりも、
その動機となっている「心」の指導が多かった。

パフォーマンスを見て、
「あなたはもっとこう生きるべきだ」的なことを言ったり、

1クラスまるまる、心と向き合う授業をしたり。。

「黒人」としての誇りと、その歴史を、

若い世代、特に黒人ではない生徒達に伝えていた先生でもあった。

黒人であるがため、家族や友人がこんな目にあってきたんだ、
という話だったり。。

夢を見て、バークリーに来たシンガー達に、
それぞれが見るべき現実を教えていた。

私にも、多くの言葉を投げてくれた。

「あなたは、あなたの好きなシンガー達のように、有名にはならないけど、
ある時、自分の歌を聞いて、結構いい感じで歌えてるじゃないって思う時がくる。」

とか、

「あなたを1番傷つけるのは、あなたが1番愛している人。
だから、傷つくのを恐れるのはやめなさい」

とか、

out of nowhere, どっからともなく、いきなりそういう鋭い言葉が飛んでくる。
ホントにいきなり。。

「あぁ。。この人は全部知ってたんだな」と思ったのが、

バークリーは良い学校だし、
めっちゃめちゃ尊い経験をしたけど、

自分は「業界」チックなところが苦手で、

そんな中、自分の歌とどう向き合っていいのか、わからず、
数年、あがきつつ、宙ぶらりんで、

心が決まらない感じで、

授業には行くけど、何だか身が入らない状態だった。

そんな私に、Donnaが、

「なかなか成長しない生徒のことを、どうしたらいいか、悩んでる、like yourself(あなたのような)」的なことを、

いきなり言ってきたことがあった。

今思い返せば、私を後押しする意図で、あの言葉を言ってたんだなと思う。

日本からアメリカに来て、
ブラックミュージックを学んでいる私に、

彼女は、彼女の大切なものを、
シェアしていてくれたんだな、と思う。

たくさんの心のやりとりがあった。

シンガーが、自分自身で乗り越えなければいけない山。

その山を見せてくれたり、
乗り越えられるように、後押ししてくれたり。。

人の心をすっと見て、
鋭い言葉を発する。

多くの歌い手に、多くの種を蒔いている人。

FOUR LEAF SOUND の新作ができたら、彼女に聞いて欲しいと思う恩師、Donna McElroyです。

 

by Murabayashi