【FLS楽曲レビュー③】 “悲しい歌” from アルバム “29” 制作・楽曲誕生のストーリー

FOUR LEAF SOUND poetry soul Blog_29 review

楽曲レビュー」って名前でシリーズ化してみたものの、

客観的に「楽曲レビュー」と見ると、他のアーティストの楽曲をレビューしてるのかな。。と思う。

そしてクリックしてみると、
「自分のレビューかい!」と思う訳で。。

ネーミングが間違ってしまったか。。と思うこの頃ですが、

FOUR LEAF SOUND10周年の節目に、
収録して来た楽曲達のことを、少しでも知ってもらいたいなと思い、

紹介していこう!ということで、「楽曲レビュー」。

第1曲目と2曲目は、ファーストアルバムからでしたが、

第3曲目は、セカンドアルバムに移りまして、

悲しい歌

まずは聞いてみて下さい。

グルーブ的には、ジャズのジャンルと見なされる、ボサノバ(ブラジリアン音楽)を基調にしていますが、

当時。。かな。。
今も。。かな。。

ブラック系のアーティストが、ヒップホップやR&Bのテイストの中で、
ジャズ系の音楽とのクロスオーバーをするアプローチがよくあった。

音楽的にはそれをイメージして作った曲です。

なので、 “too jazz” になりすぎないように意識して、音作りをしたのを覚えてます。

そして何よりも、相棒ゆきのリハモにびっくり。

リハモ=リハーモナイズ (re-harmonize)
コードをオリジナルのものから変えることですが、

私が作ったオリジナルは、chorus(サビ)とverse(1メロ2メロとかって言うのかな。。)の部分の4コード展開にスティックしたもので、

それだと、平坦ってことで、ゆきが、

イントロとアウトロを、リハモして、ガラッと変えてくれました。

楽曲がいきなりリッチに!

そして、ガットギターを弾いてくれた、「たっちゃん」こと、
Tatsuya Sakuraiさん。

(余談:アメリカで出会う日本人とは、漢字のやりとりをしないので、
名前の漢字を知らない。。)

演奏が素晴らしいのは当然で、
ミュージシャン魂が素晴らしかった。
めっちゃ感動した。

今でも覚えてるほど。

「職人」という感じで、
彼のギターへのパッションに、心が響いた。

感動して、今でも、ゆきにたっちゃんの話をする。
機会があれば、是非また一緒に演奏させてもらいたい。

(彼は、同じアルバムの “So Afraid” という曲でも演奏してくれています。)

肝心の歌詞ですが、

みなさんは、朝起きた時に、

「ここはどこ?私は誰?」状態になることありませんか?

何だか寝ている間にいろいろなくしてきてしまった。。みたいな。

私は、時々そういうことがあって、

「あれ?昨日までどうやって生きてたっけ?
今日は何する日だっけ?」と、get backするのに、少し間がいる。

この歌の歌詞にある「夢の中なくした」っていう感じ。

とか、

寝たときは、心おだやかに寝たのに、
朝起きたら、何か心がどよーんとしていた。。みたいな。

何かトラブルがあったとかじゃなく、ホントなんの理由もなく、
朝なのに、太陽が沈んでいくのかな。。みたいな。

そういうこと、ないですか?

そういう体験と、

まだ日本にいた時、専門学校時代に書いてた曲を組み合わせて、

「悲しい歌」になったんですが、

当時18、19歳の頃は、かなり変わった曲をいっぱい書いていて、

「やすらぐ」とか
「電波」
「湯船」っていう、

前衛っぽい、パフォーミングアーツ的なアプローチをすごくしていて、

この曲で組み合わせ原曲は、童謡みたいなメロディの短い曲。

「箱を開けると、悲しい歌が、ひゅるりと飛び出して。。」

って歌詞の、始めの2フレーズをとってきて、

「悲しい歌」のコーラスの歌詞になりました。

一定の期間をへて曲が完成した、ソングライティングの歴史ですね。

歌詞にこめてる思いとしては、

誰でも、心のどこかに「悲しい歌」を持ってるんじゃないのかな。

普段は、それをうまくどこかに納めてるけど、
突然、飛び出してきて、どう扱ったらいいの。。?みたいな、

そんなことってあるんじゃないのかな。。っていう感じです。

朝起きるまで大丈夫だったのに、
急に飛び出してきて、

心が痛いよ。。みたいな。。

ただただ、その現象を歌ってます。

曲中、コーラス最後の「痛い」っていうところは、

メロディを決めずに、その場の空気感で、
痛さを表現したいな。。そしてどう表現できるかがキモだな。。って思ってたら、

ゆきも、「ここは痛い感じだしてよね」と重要視していて、

「痛い」んだよ、っていうメッセージが、
やっぱりこの曲にとっては核なのかな。。

 

by Murabayashi

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悲しい歌/kanashii Uta
(by Tomoko Murabayashi)

箱を開けると
悲しい歌が

痛い

目が覚めた朝
夕日がしみる
昨日作った平気
夢の中なくした

閉め直して
つかまえて
悲しい歌

箱を開けると
悲しい歌が

笑顔の奥に
色抜けた空
ほどけた隙間
のぞいて
逃げたした

閉め直して
つかまえて
悲しい歌

箱を開けると
悲しい歌が

痛い